24 Aralık 2016 Cumartesi

地下世界の鷲(Yeraltı Diyarının Kartalı )

むかしむかし、あるところに 3 人の兄弟とその父親がいました。
父親は病気になり、な かなか回復しませんでした。
長男がきて言いました。
「おとうさん、何で日に日に痩せていくの?」
 「病気になってしまったんだよ」
 しかし病気の理由は話しませんでした。
次男もいましたが、彼にも何も言いませんでした。
「病気だからな」 というだけでした。最後に三男が父親のそばに来て、
「お父さん、なんで日に日に痩せていっているの?」
と聞くと、父親はこう言いました。
 「ああ、息子よ、わしが言ったらお前が力になれるとでもいうのか?」
 「お父さん、もしかしたら力になれるかもしれないよ」
「そうか、なら言ってやろう。ウユズ王というものがいたんだが、そいつは私の3羽の
ナイチンゲールを盗んでいきよった。それからというもの、わしは病気にかかってしまった。
ナイチンゲールを取り戻すことができれば、良くなるだろう」
三男は兄弟に父親から聞いたことを話しました。
3 人は「父親の苦しみは分かった。治 療法を見つけに行こう」と、馬に乗り、旅に出ました。


   しばらく進んでいくと、3 本の分かれ道がありました。
ある道の前に立っている石には 「この道を進む者はまた戻るであろう」という文字が、
2 番前の道には「この道を進む者 は帰ってくるかもしれぬし、戻らぬかもしれぬ」、
3 番目の道には「この道を進む者は戻れ ないだろう」とありました。
三男は長男に「兄さんは“進むものは戻る”道に進んでください」と言い、次男に
「兄さんは“進むものは戻るかもしれないし、戻らないかもしれない”道に進んでください」
と言いました。そして「僕は“進むものは戻らない”道に行き ます」と言い、旅をつづけました。

 
   歩みを続けていき、三男はかなり遠い場所までたどり着きました。
小川につきあたり、 杭を打ち、馬を結びつけると、横になって眠りにつきました。
眠りの中で、バサバサという大きな音を聞きました。
起きて見てみると、一匹の巨大な竜が来ています。
少年は起 上がり、竜に鎚矛を投げて殺しました。馬に乗り、旅を再開しました。


  進んでいくと、屋敷がありました。屋敷にあがってみると、ある部屋に美しい少女がいます。
少女は少年に言いました。
 「あら、あなた、どうやってここに入ったの?もうすぐ、ヘビの王であるシャフメランが 帰ってくるわ。ここは彼の屋敷なの。彼に殺されてしまうわ」
少年は言いました。
「怖がらないで。大丈夫。君の名前は?」
 「ギュルペリよ」
「僕といっしょに来てくれる?」
 「行きたいけど、竜が私を殺してしまうでしょう」
 「そいつなら僕が殺したよ。さて僕は行かなければ。やらなければいけないことが終わったら
帰るときに君を迎えにくるからね」
少女は、
「わかったわ。」と言いました。少年は立ち上がり、馬に乗って旅を再開しました。


   遠くへ、遠くへと進んでいきました。すると、また屋敷がありました。
そこは、あの少女の2番目の姉ギュリザルが住む屋敷でした。
少年は彼女とも出会い、「帰りに君を迎えに 来るよ」と言い、旅をつづけました。


   進んでいくと、また屋敷がありました。ここは年少の姉ギュルバハルの屋敷でした。
彼 女にも「帰りに君を迎えに来るよ」と言いました。

 
   旅を続けていくと、ある道に巨大な男が座っていて、毛糸玉の糸をほどいては巻き、
ほどいては巻いています。少年は驚いて尋ねます。
 「おじさん、なんでほどいたり巻いたりしてるんだい?」
 「少年よ。巻いて、遠くを近くにしているんだよ。近くを遠くにしているんだよ、ほどい てね」
 「おじさん、ここらへんにウユズ王がいると聞いたんだけど、どこにいるか知ってる?」
 「少年よ。そいつの宮殿はここからはるか向こうだよ。だけど、俺がこの毛糸玉を巻いて、
  遠くを近くにしてやろう。このウユズ王だが、40 日の深い眠りについているところだ。
 今日そいつも、そいつの国もこの眠りについたばかりだ。今、そこについたら、ライオンも トラも
 憲兵も兵隊もみんな寝ているはずだ。犬は口をあけ、憲兵たちは武器を投げ捨て、 みんな
 寝ているよ。怖がる必要などない。40 日間、目を覚ますことはないんだから。
 まっすぐ宮殿に行くがいい、大丈夫だ。」

  少年はこの巨大な男の言葉を聞くと、立ち止まるとこなく足を進めました。
この巨大な 男のおかげで、すぐにウユズ王の国に着きました。
そこに着いて、馬を結びました。
宮殿 の庭から中に入ると、ライオンもトラも犬も兵たちもみんな横になっていました。
固まっ たように寝ていますが、目だけは開いています。
少年は彼らの前を過ぎ、まっすぐ宮殿へ と入りました。そこでも、誰もが深い眠りについています。目だけは開けながら。

 少年は ある部屋に入ると、ウユズ王が寝ていました。
3 羽のナイチンゲールはウユズ王の枕元で 鳴いています。
少年はナイチンゲールを取り戻し、部屋から出ようとしました。
少し出た ところでこうつぶやきました。
「このウユズ王という奴はどういう男なんだろう?顔をみてみてもいいだろう…」
戻って王座に近づいて、王の顔を覆っている布をとって見てみると、なんと光のような美しい娘でした。
ためしに少年は娘の襟元のボタンをはずしてみますが、起きる気配はあ りません。
少年は再び彼女の顔に布をかぶせ、ナイチンゲールと共に宮殿を後にしました。

 少年はウユズ王の国に向かう時に出会った 3 人の姉妹のもとへと向かいました。
初めに、年少の娘を、そして真ん中の娘を、そして最後に年長の娘という順に屋敷から連れて行き ました。
3 人の娘たちは馬に乗って少年の旅に加わりました。
そして少年が兄たちと別れ た分かれ道の分岐点にたどり着きました。
兄たちも戻ってきており、弟を待っているとこ ろでした。
彼らは弟を待つと決意していたのでした…
三男は年長の娘を一番上の兄に、真ん中の娘を二番目の兄に、そして年少の娘を自分のものとし、旅をつづけました…

  
  進んでいくと、井戸を見つけました。のどの渇きを感じ、長男は言いました。
「僕が下り て、水を汲んでくるよ」
ロープを括り付け、長男を下におろします。少しおろしたところ で
「やっぱりだめだ!」
と叫び始めました。長男を引っぱり上げます。今度は、次男が
「僕 が下りるよ」といい、また少し降りたところで「やっぱり上げて!」と叫びました。
次男 を引き上げます。三男が言います。
 「僕が“やっぱり引き上げて!”とか何とか言っても気に留めないでください。
 最後までずっとロープを降ろし続けてください」
 三男が井戸の中に降りようとしたとき、年少の少女が、
 「やめてください、二度とこの世界の地上に戻れなくなってしまいます」
と懇願しました。しかし、少年は「行きます」といってききません。
そこで少女は言いま した。

「あなたが井戸の底についたら、2 頭のヒツジが来るでしょう。
一頭は白く、もう一等は 黒いです。
こうやってあなたの周りを飛び跳ねるでしょう。
なんとかして白ヒツジをつか まえて、その背中に乗ってください。
白ヒツジに乗れば白い世界に行き、黒ヒツジに乗れ ば黒い世界に行ってしまうでしょう」

とにかく少年はのどの渇きに耐え切れず、井戸の底に降りました。
目の前に黒ヒツジと 白ヒツジがやってきて、彼の周りを飛び跳ねます。
白ヒツジの背中に乗ろうとしたとき、 どうしてだか黒ヒツジに乗ってしまいました。
ヒツジは彼を黒い世界につれていきます。
少年が黒い世界に降りているちょうどその頃、少年の兄たちが 3 人の娘たちを祖国に連 れていっていました。


  少年は黒い世界を進んでいくと、ある家の前にたどり着きました。少年が、
「おばさん、僕に水をくださいませんか」
と言うと、女性は少年に真っ赤な血を渡します。
 「なんで水ではなく血を渡すのですか?」
 「ああ、息子よ。巨人が水を見張っているのよ。その巨人に私たちは一日一人の娘を
捧げ ているの。巨人がその娘を食べるとき、私たちは一滴の水を手に入れることができる。
水 が血なのは、これが理由なの。今日はスルタンの娘を連れて行くから、彼女が食べられる
でしょう。娘たちはみんないなくなってしまったわ」
「その巨人はどこにいるのですか?見せてください」
「何を言ってるの。多くの男たちがその巨人に食べられてしまったのよ。あなたも
食べられてしまうでしょう」
 「いいから教えてください」
女性はこの少年が諦めそうにないことを知ると、巨人のいる場所を遠くから指し示しまし た。
巨人に娘を運んでいる者たちも見えました。
少年は娘よりも先に巨人のもとへと行き、 巨人を殺します。
娘が巨人のもとへとやってきて、少年の勇敢な様をみると、彼が立ち去 る前に、自分の指に巨人の流した血をつけて少年の背中に血で印をつけました。
向こう側から人々がどっと押し寄せてきて、まだ少し血の混じる水を容器にいっぱいにしていきま した。
少年はというと、女性のもとへと戻り、再び水を求めます。女性はまた真っ赤な血のよ うな水を少年に持ってきます。少年は言います。
「おばさん、この水は飲めませんよ。透明な水を持ってきてください」

   
  一方、スルタンの娘は宮殿に帰ると、起こった事を話しました。
スルタンは呼び込み人 を呼び、
「あの巨人を殺した者は名乗り出るように。巨人を殺した者に娘をやろう」
と言いました。
すると、「私が殺しました」という者たちが殺到し、なかなか見つけること ができません。
娘は言いました。
「私は誰が殺したかわかるわ。男たちに服を脱いで宮殿の前を通り過ぎるよう命令してく ださい。
この国にいるすべての男たちです」
その国の男たち全員が服を脱いで、娘の前を歩いていきます。
娘は、巨人を殺した少年 を背中の印で見分けます。
そして「巨人を殺したのはこの男です」と言いました。スルタ ンは少年を呼びます。
 「娘をおまえにやろう」
「スルタン様、どうか私をこの黒い世界から白い世界に連れ戻してください。それ以外
何もいりません」
 「少年よ、この国のどこかにある鷲がいる。そこに行って鷲がいれば、そいつにこの願いを
願うがよい。おまえを白い世界に連れ出せるものはその鷲しかいないだろう」


 少年はその鷲がいるという場所に行きます。見ると、大きな木に何かが巻き付いています。
近づいてみてみると、巻き付いているのは大蛇だとわかりました。
少年は大蛇を鎚矛 で突いて殺しました。そして木陰に横になりました。
鷲のひなたちもの木の上にいました。
 しばらくすると鷲がやってきて、少年を見つけると、少年に襲いかかろうとしました。
ひなたちが鳴きはじめます。
 「やめてお母さん。そこの大蛇を見てよ。大蛇が僕たちを食べようと襲ってきたとき、その男が
救ってくれたんだ」
これを聞いた鷲は翼を少年の上に広げ、少年が目を覚ますまでずっと影を作ってやりま した。
 目を覚ました少年は目の前の巨大な鷲を見て怖がりました。鷲はこう言います。
 「恐れることはない。おまえは私の子供たちを救ってくれた。何か望みはあるか」
 「僕をこの黒い世界から白い世界に連れ出してください。他に望みはありません」
「息子よ、それは難しいことだ。私はすっかり年老いてしまった。しかし、お前に借りがあるから
この望みをかなえてやろう。白い世界にお前を出してやる。今から私に 40 の水 牛の肉と、
40 の水牛のなめし皮袋にいっぱいの水を持ってこい」

 少年はこれらを持ってきて、鷲の両翼の上にこれらを置きます。
真ん中に少年を乗せ、 鷲は言います。
 「私が“ラク”という度に肉を、“ルク”という度に水を渡すのだ」
彼らは白い世界に上りはじめます。
鷲が“ラク”という度に肉を、“ルク”という度に水 を与えながら、どんどんどんどん上っていきます。さあもう少しで白い世界に到着すると いう頃、鷲がラクといいました。
見るともう肉は残っていません…
少年は即座に自分の脚 の一部を大きく切り取って鷲の口に入れます。
その直後に鷲は穴から白い世界の地表へと 少年を戻しました。少年に言います。
「さあ、背中から降りなさい。ここからは歩いていくのだ」
少年は降りますが、その場で止まり、歩こうとしません。鷲に向かって
 「あなたはもう行ってください。僕はしばらくしてから行きます」
といいました。鷲がさらに、 「歩きなさい」 というと、少年は足を引きずりながら少し歩きました。
そのとき、鷲は舌の下から少年の 脚の肉を取出し、脚を切り取った部分にくっつけました。
少年がもとのようにしっかり歩 けるようになると、鷲は、
 「さあ少年よ、達者でな」
と言い、飛び去って行きました。
  少年はこうして黒い世界から救われたのです。あなたも、そして私も。

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