24 Aralık 2016 Cumartesi

老鳥(İhtiyar kuş)

 昔むかしあるところに、ある男の 3 人息子がいました。
男はある日、病気で床に伏して しまいました。
息子たちをそばに呼び、こう言いました。
「息子たちよ、見ての通り、私は病気だ。どうなるか明らかではない。この世界には何 が起きても不思議ではないのだ。おそらく私はそんなに長くないだろう。おまえたちに遺言がある。死ぬ前に言っておく。絶対にキョセ※1と話すのではないぞ、一緒に何かに取り 組んではならない。私からの遺言だ…」
子供たちは父親の手にキスをし、彼の回復を祈った後、部屋から出ました。
しかし、男 の容態は日に日に少しずつ悪化し、良くなる代わりに悪くなっていきました。
そしてつい にある日、再び目を開けることはありませんでした。
父親の死を悲しむ息子たちは、彼の遺言を守ることにしました。

 
 ある日、食料を手に入れようと一緒に狩りに出掛けました。
夕方まで森から森へと駆け回ったものの、まったく 獲物を見つけられませんでした。
あたりも暗くなったため、森のある一角に身を寄せ、横 になりました。
2 人の兄はすぐに眠りにつきました。
末息子は寝つけなかったため、起き 上がって座りました。
暗闇の中、あたりを見渡し始めました。
立ち上がり、もしかしたら 食料が見つかるかもしれないとある方向へまっすぐ進み始めました。
そして進んだところ で彼が見たものはなんだったでしょう?
なんとそこには大きな炉の上で煮えたぎる大きな 鍋があったのです。
石を上に積み重ね、鍋の中をのぞいて、驚愕しました。
中で煮えてい たのはなんと人の肉だったのです。
彼が石を下りているとき、左右から 40 体の巨人が現れました。
その恐怖から、舌を飲み込んでしまうところでした。
逃げるチャンスがないと分かると、動きを止めました。
巨 人たちは歯をのぞかせながら彼のそばにやってきて言いました。
「おい、人間。ここで一体何をしている?!」
彼は言いました。
 「なんにも。探している物なんてないよ!散歩しているんだ」
巨人の長が笑いました。
 「ここは散歩するような場所じゃない。調理場だ。今からおまえもこの鍋に放り込んでや ろう。
鍋に放り込まれたくなかったら、中の人間たちとこの鍋を下に降ろして、もう一回 炉に置くんだ。
それができなかったらお前をぐつぐつ煮てやるぞ。わかったか?」
 彼は考え始めました。どうしよう?
40 体の巨人が持ち上げられるこの巨大な鍋を僕がどう すれば持ち上げられるものか。
彼がそう考えていると、巨人の長が言いました。
「俺たちの寝る時間が来た。俺たちはいまからそこで寝る。俺たちが寝ている間に一つも 音をたてずにこの鍋を降ろして、もう一回炉に戻すんだぞ!」 

  巨人たちはある一角で横になり、いびきをかきはじめました。
いかずちに似たいびきは 大地をぐらぐらと揺らしました。
彼らがいびきをかくたびに大地は揺れ、大地が揺れるたびに、鍋は炉の上でずれていきました。
翌朝、目を覚ました巨人たちは彼をすぐに捕まえて
 「鍋を地面に降ろして、もどしたんだろうな?」
と聞きました。彼は答えました。
「もちろんです。信じられないなら見てください。再び戻すときに、気を付けなかったので
鍋の場所がすこしずれてしまいました」
 巨人たちはいっせいに鍋のそばに集まって調べ始めました。
鍋のそこの場所が変わっているのを見て、この少年がやったと思い、彼に何もしませんでした。

 しかし、今度は少年に他の条件を出しました。彼に屋敷を見せながら、
 「俺たちは何年もの間、ここで暮らしている。しかし、この屋敷の扉をどうしても見つけることができなかったのだ。もし見つけることができれば、お前に危害は加えない。見つ けられなかったらお前をひと飲みしてやるからな!」
 と言いました。少年は屋敷のそばに行き、あたりを歩きました。
扉を見つけることができ ませんでした。巨人たちに言いました。
 「僕にくぎと金槌を一袋分持ってきてください!」
巨人の一人が走ってくぎと金槌を持ってきました。
少年はくぎを打ちながらそれを階段のように使って屋敷の屋根まで上がり、屋敷の煙突から
屋敷の中に降りました。そして中を 調べ始めました。大きな部屋に 5 つの寝台があり、
そのうちの一つに年老いた男、もう一 つに年老いた女、そして残りに 3 人の娘がそれぞれ
寝ていました。
5 台の足元、枕元にそ れぞれ蝋燭が燃えていました。
寝台の横にある盆の上にはそれぞれ食べ物が置いてありま した。
 少年は気に入った食べ物を口にしました。そしてすべての蝋燭を消しました。
老人の横 の壁に掛けてある剣を手に取り、音を立てないように部屋から出ました。
入ったときと同 じように煙突から外に出て、巨人たちの近くに行きました。
そして彼らに、 「屋敷の扉を見つけました。さあ、僕についてきてください」 と言いました。
巨人たちは大きな梯子を持ってきて屋敷に立てかけました。
少年は煙突か ら中に入り、下で剣を手に待ち始めました。上に向かって叫びました。
 「さぁ!一人ずつ下におりてきてください!」
この大きな屋敷の煙突はとても大きかったのですが、巨人たちはやっと入ることができま した。
そのため煙突を頭から下りなければなりませんでした。
少年は下で待ち構え、煙突 から下りてくる巨人の頭を剣の一振りで切り落としていきました。
こうして 40 体の巨人 の頭を切り落としました。
そこから出て、鍋の下から燃える薪を手に取り、兄たちのもと へと戻りました。
見ると、彼らはまだ眠っていました。彼も横になり、眠りました。

  
 さて、話を屋敷に戻しましょう。 朝になり、屋敷の中にいた 5 人は目を覚ましました。
男はすべてが変わっていることに 気づきました。
蝋燭は消え、一番おいしい食べ物は食べられていました。
そして煙突の下 に横たわる 40 体の巨人の死体を見て、すっかり驚いてしまいました。
“一体だれがやった のだろう”と考え始めました。
屋敷中を探してみたものの、誰も見つけることはできませ んでした。
そしてこう言いました。
「屋敷の横にハマムを作らせよう。来た人は誰でも無料で入浴することができる。しかし、 客には代金の代わりに自らの体験話を語ってもらう。もしかしたら、巨人を倒した者を見 つけられるかもしれない」

 男は翌日、多くの職人を連れ、昼夜を問わず働かせ、一週間のうちに立派なハマムを
完 成させました。話をきいて客が来始めました。
誰もが無料で入浴するかわりに、自分の体 験した話を語っていくのでした。
しばらくの間、この森で狩りをし、夜は木の上で明かしていた兄弟たちも屋敷の横にハマムが
建てられたこと、そして誰もが無料で入浴できるということを聞き、やってきまし た。
服を脱いで中に入り、よく体をあらいました。
出る前にハマムの所有者に体験したこ とを話しはじめました。
長男、そして次男が語り、最後に末息子の番がきました。
彼は巨人の鍋の話、彼らをどうだましたか、そしてその後屋敷に入り何をしたか、
40 体の巨人の 頭をどう切り落としたかを一つ一つ説明していきました。
探していた者に出会えた男は、
 「そらきた、わしはおまえを探していたのだよ。おまえはどれだけ勇敢な男なのだろう。
正直にいえば、40 体の巨人の頭をどう切ったかのなんてわしには想像すらできない。
おまえは我々を災難から救ってくれた。そこで娘のうち一人をおまえにやることにする。
他の娘たちもお前の兄たちにやろう」
 3 人兄弟は盛大な結婚式のあと、彼の息子となりました。
しばらくして、兄弟は妻たちと共に旅に出ました。

 
 山を越え、谷を越え、旅をつづけました。
しばらくして後ろを振り返るとまだそんなに 進んでいません。
どうしようもなく、再び歩きはじめました。途中でキョセにあいました。
キョセは彼らにこう言いました。
「おまえたちよ、一体どこにいくんだ?さあ、来なさい。そこらで一緒に狩りをしよう。
ここらにはウズラがたくさんいるんだよ」
 長男と次男は三男に、
 「俺たちは行かないよ。父上の遺言だ。行きたいならおまえは言っていいぞ」
と言いました。三男とその妻は彼らと別れ、キョセと友達になりました。
しばらくの間、 森で狩りをしました。キョセは彼らにこういいました。
 「息子よ、おまえの妻は疲れてしまったようだ。私の家はすぐそこだ、山のふもとだよ。
 私はこの子を家においてまた来るからね。私の子供たちと友達になれるし、休めるはずだ。
 そのあと私たちは戻ればいい。私が戻ってくるまでお前はここで狩りを続けるんだ。
夕飯 の獲物をつかまえるんだよ…」
彼が狩りをし始め、キョセは彼の妻を連れて行きました。
それから数時間が経ってもそこ に来る者はいませんでした。青年は退屈しました。
それに耐えきれず、山の裏に向かって 歩きはじめました。

 途中、年老いた鳥に出会いました。鳥に不満を打ち明けました。鳥は 彼に言いました。
 「息子よ、わしに何ができる。わしは年老いてしまった。でなければお前の妻をすぐに見 つけて、連れて来れただろうに。おまえが会ったキョセはとても悪いやつだ。決していく ではない。
殺されてしまうだろう」
青年は、
 「このキョセを見つけるよ!死んだってかまわない」
といい、再び歩きはじめました。山の裏にたどり着き、キョセの家を見つけました。
キョ セは 7 日間の眠りについたところでした。
青年はすぐに妻を連れ、見つけた馬に一緒に乗 って出発しました。
7 日後に眠りから覚めたキョセは彼女がいなくなっていることに気づきました。
すぐに 起き上がり、馬に乗りました。馬は鳥のように飛んで青年とその妻に追いつきました。
キ ョセは剣を振って青年をバラバラにし、妻を連れて行きました。
妻はこの状況にひどく悲 しみました。悲しみを抑えてキョセに言いました。
 「どうか、この骨を集めて馬の下げている袋に入れてつるしてもいいですか?この馬が故 郷までたどり着いたときに、この骨をお墓に埋めることでしょう」
キョセは青年の骨を拾い集めて馬の下げている袋にいれました。
そして彼女と共に馬にの って元の道を行きました。
青年の馬は走りに走って年老いた鳥のもとへとたどり着きまし た。
鳥は袋の中の骨を取り出してそれぞれをくっつけました。
鳥がそれらを舐めると、青 年は元通りになりました。息を吹き返した青年は言いました。
 「なんと!キョセは僕を殺したんだな?あいつをまた見つけ出してやる!」
年老いた鳥は、 「行くではない、息子よ」 と言いましたが、彼を止めることはできませんでした。

 青年は起き上がるとキョセの家に行きました。
見ると、キョセは 2 週間の眠りについて いました。
キョセが眠りから覚めるまでに故郷にたどり着けると考えて、妻と一緒に馬に 乗り、逃げました。
一日、二日、三日、五日、そして 13 日走りつづけました。
そして 14 日目にキョセは眠りから覚めました。起き上がり、家の中を歩き回りました。
女が家にい ないと分かると、 「こいつは自ら逃げたに違いない」 と言い、飛ぶ馬に乗りました。
馬は風のように走り始めました。しばらくすると、彼らに 追いつきました。
見ると、青年はぴんぴんしています。女をさらったのは青年だと気づき ました。
そして、 「どういうことだ。まさか生き返ったのか?」 とひとりごとを言って、彼らのそばまで追いつきました。そして前よりも剣を強く振って、 青年をばらばらにしてしまいました。
女を家に連れ去りました。
青年の馬は、彼が血の海 の中にばらばらになっているのを見て、とても悲しみました。
馬の目から涙が流れ始めま した。
背中の袋を地面に落として、口で青年の骨や肉片を集めて袋に詰めました。
そして 袋を歯ではさんで持ち上げ、年老いた鳥のもとへと戻りました。

 年老いた鳥はこの状況をみて、
「言うことを聞かない者はこうなるのじゃ!」
と言いましたが、耐えられずに青年の骨や肉片をそれぞれくっつけて舐めました。
青年を 生き返らせました。
青年は息を吹き返すや否や、
 「あいつめ!また僕を殺したのか?今度は僕がお前をやっつけてやるぞ!」
 と言いました。年老いた鳥は、
 「息子よ、もうお前は 2 回も殺されたのだぞ。3 回目は助かるまい」
と言いましたが、青年は鳥のことばを聞かず、馬にのってキョセの家に行きました。
キョ セは 24 日間の眠りについていました。女は言いました。
 「またあなたの馬に乗れば、キョセは私たちに追いついてしまうでしょう。
今度はあいつ の飛ぶ馬に乗りましょう!」
すぐにキョセの馬に乗りました。星のように飛んで逃げました。
24 日間の眠りについてい たキョセは、青年が生き返って再び妻を連れて逃げたということに
気づきました。小屋に 行き、馬に乗ろうとしました。しかし馬が見当たりません。
自分の馬で逃げたのだと気づ きました。
そこで、同じように飛ぶように走る仔馬に乗り、彼らのあとを追いました。
彼 らに追いつき始めました。
青年が後ろを振り返ると、キョセが自分たちに追いつこうというとこでした。
その時、馬が後ろからやって来ている仔馬に話しかけました。
「おまえの背中にのっているキョセは悪いやつだ。そいつのせいで私はいつも腹ペコだ。 そいつは手を貸すに値しない。背中から落としてしまいなさい!」
 仔馬は母親の詞に従いました。崖の淵を通るとき、キョセを自分の背中から振り落としま した。
崖を転がり落ちたキョセは、バラバラになって、他人の妻をさらい、青年を切り殺 し、自分を乗せてくれている馬を空腹にした罰を受けたのです。
キョセが転がり落ちた後、仔馬は母馬に追いつきました。
青年は仔馬に乗り、妻を母馬 に乗せたままにしました。そして出発しました。

 山を越え、谷を越え、青年の故郷に到着 しました。そして幸せに暮らしました。めでたしめでたし。

※1 キョセ。Köse.「 ひげのない(男)」(cf.竹内和夫『トルコ語辞典』p.243.)トルコの昔話 によく登場する。

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